なぜ今、「内覧会」が開業成功のカギと言われるのか “集患につながる内覧会”のリアルな効果と活用法
株式会社パッシオーナ
統括ディレクター
一色咲緒
医院開業の際、集患のスタートダッシュを左右する重要な施策として注目を集めている「内覧会」。しかし実際のところ、「内覧会は本当にその後の集患につながるのか?」「コストに見合う効果を期待できるのか?」と疑問を抱く先生も多いのではないでしょうか。今回は、これまでに1,000件を超える医院開業を成功へ導いてきたパッシオーナ社の統括ディレクターに、“内覧会のリアルな効果と活用法”についてお話を伺いました。
内覧会は、開業を成功に導く“体験型プロモーション”
開業にあたって「内覧会を開催すべきかどうか」で悩まれる先生も多いようです。実際、内覧会を行うことで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか
一色そうですね。最大のメリットは、患者さんに“気軽に医院を知ってもらえる場”をつくれることだと思います。
例えば洋服屋さんや雑貨屋さんなら、「買わなくても店内に入ってみる」ことができますよね。
でも歯科医院は「予約をして治療を受けに行く場所」というイメージが強く、興味があってもなかなか中をのぞくことはできません。
その点、内覧会であれば予約不要で、どなたでも自由に院内を見学できます。
「先生やスタッフの雰囲気」「院内のつくり」「バリアフリー対応かどうか」などを実際に確かめていただくことで、患者さんに安心感を持っていただけます。
さらに、お時間のある方には相談会やイベントにご参加いただくことで、医院の強みや特長をしっかり知ってもらうことができます。
そしてその体験こそが、“この医院は信頼できそう”と感じてもらうきっかけとなり、集患にも直接つながっていくのです。
事前のアプローチで「認知度アップ」効果を最大限に高める
なるほど。内覧会は、地域の方々に医院を知ってもらう絶好の機会なのですね。では、その“周知の効果”をより高めるためには、どのような工夫が必要でしょうか。
一色はい。当社では、内覧会の役割として「認知度アップ」「信頼の構築」「地域ニーズの再確認」「予約の獲得」の4つを掲げ、開業をサポートしています。
なかでも「認知度アップ」は、事前準備が何より重要です。
そのため内覧会の前段階として、街頭でのチラシ配布や近隣へのご挨拶回りを行うことをおすすめしています。
ご挨拶回りでは、近隣の店舗や住宅、幼稚園や保育園などを訪問します。先生ご本人と私たちスタッフが一緒に伺う場合もあれば、スタッフのみ、または先生お一人で伺うケースもあります。
特に、隣接するお店やオフィスなど、日常的に人の出入りが多い場所には、
「このたび近くに歯科医院が開院します」「○月○日に内覧会を行いますので、ぜひお立ち寄りください」
といったご案内を直接お届けするようにしています。
こうした地域へのきめ細やかなご挨拶は、開業前から医院の存在を知っていただき、親しみを持っていただく大切なステップです。
実際に、この訪問をきっかけに内覧会へ足を運んでくださる方も多く、結果としてスムーズな集患につながっています。
信頼の構築とニーズ把握で、“選ばれる”歯科医院へ
「信頼の構築」「地域のニーズの再確認」についてはどうでしょうか。
一色実は、地域の方々が気軽に先生やスタッフと気軽に会話できる機会は、内覧会以降なかなかありません。
「最近ちょっと歯がしみるんです」「矯正っていつ頃から始めるのがいいですか?」など、わざわざ予約するほどではないお悩みを気軽に相談できることは、内覧会ならではの価値です。
そうした何気ない会話に丁寧に耳を傾け、誠実に対応することで、患者さんは「この先生なら安心して相談できそう」と感じ、自然と信頼が育まれていきます。
もう一つ、「地域のニーズの再確認」も重要なポイントです。
内覧会では、来場者への質問内容や来場された方の層から、地域の特性やニーズをつかむことができます。
たとえば、「小児歯科を中心に」と考えていた先生が、内覧会でシニア層が想定以上に多いことに気づき、「入れ歯診療にも力を入れよう」と方針を見直されるケースもあります。
つまり、“地域の方が何を求めているかを把握し、医院運営に活かせる”ということですね。
一色そうですね。地域の方々から直接ご意見を伺える点は非常に大きなメリットです。
「以前通っていた歯科医院は説明が少なくて不安だった」「治療内容がよく分からないまま進んでしまった」など、過去の受診体験を率直にお話しいただけることもあります。
こうした声を先生が直接聞くことで、
「自分の医院では丁寧な説明を徹底しよう」といった改善にもつながります。
このように、内覧会は開業前に“患者さんのリアルな声”を知り、今後の診療方針や集患戦略に生かすための貴重なヒントが得られる機会でもあるのです。
さらに、オプションにはなりますが、内覧会で「アンケート調査」を実施することも可能です。
来場された方に感想やちょっとしたご意見をご記入いただくのですが、これが非常に貴重な情報になります。
たとえば、「ここに手すりがあると助かります」といった設備面のご要望や、「ベビーカーを置けるスペースがあるといいですね」といったアイデアなど、実際に院内を見たからこそ生まれるリアルな声が集まります。
そうしたご意見を参考にすることで、患者さんの目線に立った、より通いやすい医院づくりにつなげることができます。
内覧会参加者の2~3割がその場で予約を入れるケースも
内覧会に来られた方は、その場で予約をされるのでしょうか? 具体的にどのように集患につなげられているのか教えて下さい。
一色はい。基本的には内覧会の場で予約をお取りしています。
内覧会を実施しない場合は、どうしても予約数の初動が鈍くなりがちです。
開院後にチラシを見て直接予約される方もいらっしゃいますが、やはり「実際に院内を見て、雰囲気を感じたうえで予約できる」ことが大きな後押しになります。
たとえば、内覧会でご来場された方へ、
「本日ご予約も承れますが、いかがなさいますか?」とひと言お声がけするだけでも、予約率は大きく変わります。
地域や天候によって差はありますが、来場者が300人の場合、約30名(1割程度)が予約されることが平均的です。さらに、丁寧な対応を意識された医院では2割程度、また、郊外など“通りすがり“ではなく、ご自身の意思で来場される方が多い環境では、3割程度の予約率を達成するケースもあります。
このように、内覧会を実施された医院とそうでない医院とでは、開院直後のスタートダッシュに明確な差が生まれます。
コストはかかりますが、それ以上の費用対効果が十分に見込める集患施策だと考えています。
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